北海道の方言には、独特の響きを持つ言葉がたくさんあります。
その中でも「やるべしたら」という表現は、道民にとって馴染み深い言葉の一つです。
しかし、北海道以外の地域ではあまり聞かれないため、「どんな意味?」「どういう場面で使うの?」と疑問に思う人も多いでしょう。
本記事では、「やるべしたら」の意味や使い方を詳しく解説し、日常会話での活用方法を例文付きで紹介します。
やるべしたらとは?北海道弁の基本的な意味
やるべしたらの語源・由来
「やるべしたら」は北海道でよく使われる方言で、「やるべ(やろう)」に「したら」がついた形です。
元々、「やるべし」は「やるつもりだ」「やるに違いない」という意味を持ち、「~したら」は仮定や確認のニュアンスを加えます。
そのため、「やるべしたら」は「やるつもりなんだけど、どう?」や「やってみようよ」といった意味合いになります。
北海道弁は東北地方の影響を強く受けているため、「~べし」「~したら」といった表現が多く見られます。
これは東北地方でも類似の言い回しが存在するためで、北海道に移住した人々が持ち込んだと考えられます。
本州方言との違いはあるのか
「やるべしたら」は、関東や関西ではあまり聞かれない言い回しです。
関東では「やろうよ」、関西では「やろか?」に近いニュアンスで使われることが多いでしょう。
- 関東:「やろうよ」「やってみようぜ」
- 関西:「やろか?」「やったらええやん」
- 東北:「やるべ」「やるべした」
北海道弁の特徴は、語尾に「~したら」をつけることで柔らかく聞こえる点です。
関東・関西の表現よりも親しみやすく、相手を強く誘うのではなく、相談するようなニュアンスが加わるのがポイントです。
やるべしたらを使うシーンとニュアンス
日常会話でよく使われる状況
北海道では、友人や家族との日常会話で「やるべしたら」がよく使われます。
例えば、次のようなシーンが考えられます。
- 遊びや食事の誘い
「今日カラオケ行くべしたら?」(今日カラオケ行こうよ?) - 計画や行動の確認
「明日朝早く起きてジョギングするべしたら?」(明日の朝ジョギングしようよ?) - 家事や仕事の提案
「ご飯作るべしたら?」(ご飯作ろうか?)
このように、「やるべしたら」は誘いや提案をする際に気軽に使われる言葉です。
勧誘・提案をする場面での使い方
「やるべしたら」は、強制的ではなく相手に同意を求めるようなニュアンスが含まれます。
そのため、柔らかい誘い文句として適しています。
- 「ちょっと休憩するべしたら?」(ちょっと休憩しようか?)
- 「新しい企画考えるべしたら?」(新しい企画を考えようか?)
特に、相手の意見を尊重したい場面では便利な表現です。
テンションを上げるための合言葉的用法
スポーツやイベントの前に、テンションを上げるための掛け声としても使われます。
- 「よし!やるべしたら!」(よし!やるぞ!)
- 「みんなで頑張るべしたら!」(みんなで頑張ろう!)
この場合、「やるべしたら」は気合を入れる言葉として機能し、チームや仲間内での一体感を生む役割を果たします。
具体的な例文で見る「やるべしたら」の使い方
友人や家族との会話例
友人との会話
- A:「今日の夜、ラーメン食べに行かない?」
- B:「いいね!行くべしたら!」
家族との会話
- A:「今日は寒いね、鍋にしようか?」
- B:「いいね、鍋やるべしたら!」
職場やビジネスシーンでの例外的使用
職場やビジネスの場ではあまり使われませんが、親しい同僚とのやりとりでは使うこともあります。
- 「この企画、もう一回見直すべしたら?」(この企画、もう一度見直そうか?)
- 「今日は早めに終わらせるべしたら!」(今日は早めに終わらせよう!)
ただし、フォーマルな場では標準語を使うほうが適切です。
面白い方言エピソードとして紹介する場面
北海道以外の人に「やるべしたら」を紹介すると、驚かれることが多いです。
- 「東京の友達に『やるべしたら?』って言ったら、『何それ?呪文?』って言われた(笑)」
- 「関西の友人が『やるべしたら』を気に入って、関西弁と混ぜて『やるべしたらやん!』って言うようになった。」
「やるべしたら」を正しく使うためのポイント
イントネーションや抑揚のコツ
「やるべしたら」は、語尾を上げるとより提案的なニュアンスになります。
- 平坦
「やるべしたら。」(やるつもり) - 語尾上げ
「やるべしたら?」(やってみようよ?)
場所や相手を選ぶ必要がある場合
- 家族や友人
気軽に使える - 職場
親しい間柄ならOK - フォーマルな場
避けたほうが無難
失礼にならない使い方・注意点
「やるべしたら」は柔らかい表現ですが、相手によっては馴染みがないため、戸惑わせることがあります。
- 北海道外の人には標準語で言い直す配慮が必要
- 目上の人には避ける(「やりましょうか?」のほうが適切)
まとめ
「やるべしたら」は北海道特有の方言で、主に提案や勧誘の場面で使われます。
親しみやすいニュアンスがあり、特に日常会話で重宝される表現です。
正しいイントネーションや場面に応じた使い方を意識しながら、北海道弁の魅力を楽しんでみましょう!